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2010年7月 2日 (金)

日本暗殺秘録

1969年10月15日に劇場公開された、『日本暗殺秘録』を観ました。

(同時上映は、『不良番長 どぶ鼠作戦』)

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コチラも時の東映オールスターキャストがズラリ勢揃いした作品ですが、コレまでアップしたようなお祭り感は皆無で、強烈なまでのパンク感が漂う怪作となっております。

何でも、当時のお上から直に上映中止の圧力を掛けられたのだとか・・・。

ソフト化されていないのも、ソノ辺が影響しているんですかねぇ。

(ソノ割りに、東映チャンネルで平気で放送されてましたが)

というわけで、暗殺シーンがガンガン登場するという超異色作のスタートです。

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まずは、桜田門外の変での若山富三郎の超絶な殺陣が炸裂し、大久保利通の暗殺(アングラ演劇の唐十郎が地味に暗殺側で出演)、大隈重信暗殺(未遂)事件では、

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吉田輝雄演じる右翼活動家が、馬車に爆弾を投げつけた直後に自害。

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さらに、菅原文太演じる活動家が安田善次郎(オノ・ヨーコの曽祖父)を殺害したり、

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高橋長英を中心に描かれるギロチン社事件などが、連続して約20分ほどで描かれます。

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高橋長英の死刑執行を告げる看守には、まさかの土方巽!

そして、ココから本作の大部分を占める血盟団事件が描かれます。

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ココでの中心は千葉真一なので、本作の実質的な主演は千葉ちゃんということになるのかな。

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本作の特徴として、主演クラスの俳優が揃って暗殺者側に回っており、暗殺される側の著名人は地味なキャスティングというのがあります。

こういう演出って、さもすれば暗殺行為を美化しかねない感もあるので、お上に嫌われたのかなー。

なので、コレまでガンガン悪い役を演じていた小池朝雄が、資金繰りに苦労したり工場認可の取得に苦労する町の食品製造工場長なんて極めて庶民的な役で登場したり、

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千葉ちゃんの故郷に暮らす病弱な貧農の娘を賀川雪絵が演じるという、普段なかなか観れないようなミスマッチな感じも本作の楽しみ・・・になるのかな。

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人性に絶望した千葉ちゃんは、片岡千恵蔵演じる思想家の元に入信し、

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橘ますみとゴキゲンな感じになるも、

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海軍の軍人である田宮二郎などから危険な思想を埋め込まれて、活動家へと変貌を遂げました。

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かつて町工場で一緒に働いていた藤純子と思わぬところで再会するも、パンクな千葉ちゃんは前大蔵大臣暗殺を決行しました。

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刑が下され、記者の砂塚秀夫に罵声を浴びせられます。

ラストは2.26事件。

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高倉健が陸軍の局長を惨殺し、

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里見浩太郎や、

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待田京介、

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そして鶴田浩二らが首相官邸を襲撃するも、鎮圧されて銃殺刑に。

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そしてエンディング・・・。

いやぁ、画的にも凄い映画だけど、思想的にも凄い映画ですねぇ。

制作スタッフのクレジットも当時の東映の主力級の名がズラリと並び、笠原和夫が脚本を書き、中島貞夫が監督(脚本も共同執筆)、音楽は富田勲という、何もかもが凄すぎですよ。

結局、今作に描かれている時代と今の時代も、大して変わっていないのか?

などと色々なことを考えてしまう作品・・・、って軽々しく言っちゃってイイのだろうか。

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コメント

徳吉です。自分も7年程前に東映チャンネルで放映された際に観ました。印象にあるのは桜田門外の変での若山先生が井伊直弼を斬首した雄姿と生麦事件のアクロバティックなシーンです。公開当時の本作のポスターのキャッチコピーは「暗殺は、是か?非か?」です。

投稿: 徳吉 | 2010年7月 3日 (土) 16時27分

徳吉さん、いつもコメントありがとうございます。
今作はパッケージ化はされていないものの、名画座とかで上映されると今でもかなりの人気らしく、ネット上でも本作について多くの方が書かれているようです。
ワタシもチョイ前に東映チャンネルで放送してくれたおかげで、ようやく本作を観ることが出来ましたが、もちろん出演キャストの豪華さもそうですけど、扱っている事件のことをググってみると、実に強烈な映画だというのを痛感しました。
今じゃあ絶対に作れない作品なのは間違いないですね。

投稿: lonehawk | 2010年7月 4日 (日) 11時16分

はじめまして。

以前のブログから拝見しておりましたが
日本暗殺秘録の話題だったのでつい書き込みしてしまいました。

といってもこの日本暗殺秘録はタイミングがあわず、実は観たことがないんです。CSなどでも放映されているんですね。
次回のタイミングを待ってみますが、キャプチャ画面で雰囲気は伝わってきました。ありがとうございました。

あとこちらのアナログはご存知ですか?先日つい衝動買いしてしまいました。
http://www.honestjons.com/shop.php?pid=36348

投稿: hibagonn | 2010年7月 9日 (金) 22時27分

hibagonnさん、はじめまして。
当ブログにコメントいただきましてありがとうございました。
今後とも宜しくお願いいたします。
前のブログから読んでいただいているというのも嬉しいです。

『日本暗殺秘録』は以前からちょくちょくCSで放送されているようですし、割と名画座とかで観れる機会も多いようです。
さらには、中島貞夫監督と千葉ちゃんを招いた企画上映なんて、正しく夢のようなことも開催されていたとか・・・。
とにかく、不良性感度の高い東映の中でも特にソノ度合いが高い作品なので、是非とも機会を見て体感されて下さいね。

>あとこちらのアナログはご存知ですか?先日つい衝動買いしてしまいました。

リンク先を見てみましたが、スゴイのが海外で出ているんですねー。
アナログ環境がないのが残念ですが、とりあえず試聴して雰囲気だけは楽しめました。
教えていただき、ありがとうございました!

投稿: lonehawk | 2010年7月10日 (土) 22時36分

以前、日本暗殺秘録について書き込んだものです。
現在下記サイトで
http://www.dreampass.jp/deals/2/
日本暗殺秘録の上映が企画されていますが、55枚チケットが売れたら
という条件付です。現在20枚、ちょっと厳しいですねぇ。他の映画も含め期待しているのですが。

投稿: hibagonn | 2010年8月21日 (土) 00時40分

hibagonnさん、情報ありがとうございました。
早速、リンク先をチェックしてみました。
かなり興味深いイベントで、何度観てもゴキゲンな『0課』は勿論のこと、中でも現在はパッケージ化もCS放送も不可能であろう『博徒七人』は未見なので物凄く観てみたいですが、残念ながらチョット日程的にキビシイのが何とも…。
上映の条件を満たすのも今からだと厳しそうな。
また何かイイ情報があれば、是非教えて下さいね。

投稿: lonehawk | 2010年8月21日 (土) 09時45分

まあ見ごたえはありましたが、下記二点が不満です。
桜会の陸軍将校が坊主頭でないこと。これはしらけます。それと「のぼり旗」に栗林部隊と書いてありました。待田京介も「栗原、オマエはえらい」とか声をかけられてましたから実名でいいはずなのにお粗末です。

投稿: こうすけ | 2011年5月13日 (金) 15時16分

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